無線と高周波の技術解説マガジン

「RFワールド」のご案内



●ブラック・ボックス化した無線と高周波の技術をわかりやすく解説する
 ラジオ,テレビをはじめ,無線通信,コードレス電話,測位測距機器,医療機器,調理機器など,無線と高周波の応用製品は,私たちの生活・社会・産業などにとって.もはや不可欠のものといっても過言ではないでしょう.近年,これらに加えて,携帯電話,無線LAN,RFID,カーナビ,ETCなど,新たな応用製品が普及期を迎えています.
 一方で高品質な製品を廉価に量産するために,ASIC(特定用途向け集積回路)やSMT(表面実装技術)がふんだんに使われるようになりました.
 その結果,製品のブラック・ボックス化が進み,いまや分解してもICの型名はおろか,メーカ名さえ知ることが困難になっています.
 また,複雑化と専門化が進んだ結果,もはや一人の設計者が製品全体やシステム全体を理解し把握することが困難になってきています.これでは近い将来,新製品を開発したり,既存システムとの協調動作を図ることが困難になっていくと懸念されます.
 RF技術を応用した製品を企画・開発したり,システムを構築したり,制御したりするには,無線や高周波の基礎知識はより重要になっていくことでしょう.

 ところで,20世紀後半にパソコンが生まれ,今や仕事でも家庭でも社会でも必須のものとなりました.パソコンを使いこなすには,エンド・ユーザーにもハードウェアやソフトウェアの基礎知識が求められることは,いうまでもありません.
 小誌はRF技術も同様と考えます.RF応用製品を使いこなすには,プロパーなエンジニアや研究者諸兄に限らず,ノンプロパーのエンジニアや,エンド・ユーザー諸兄にも無線と高周波に関する基礎知識が求められるはずだからです.
 そこで小誌は,あらゆるRF技術を扱い,広くわかりやすく解説することを目的に創刊いたします.無線と高周波の技術に興味をもつ方ならば,どなたでも小誌を手にとっていただき,知識を広め深めていただきたいと存じます.佐藤源貞先生の創刊の辞にあるように,私たちは「朋」であるか「友」であり,あるいはそれらを兼ねた「朋友」でもあります.
 小誌を末永くご愛読・ご愛顧いただけることを願って,第1号をお届けいたします.

2008年1月吉日,「RFワールド」編集子